教育資金を投資で準備している方はジュニアニーサを活用していると思いますが、口座開設時にジュニアニーサと未成年証券口座に開設される特定口座の源泉徴収について選択が必要となります。今回は15歳以下のお子さんの税制について書きますので、その選択について悩まれた方は最後まで読んでください
[:conents]
16歳からはどちらにすべきかはこちらの記事「ジュニアNISA(未成年証券口座)は源泉徴収ありが安心な理由」で書いています。
源泉徴収の有無は変更可能です
この記事を読む前に「もう設定しちゃったよ」という方へ!安心してください源泉徴収の有無は変更可能です。ただし、注意点としてその年の1月から一度でも源泉徴収されると翌年の1月まで変更できません。
源泉徴収なしが絶対お得なのは15歳まで!
源泉徴収の設定は15歳までと16歳からでどちらを選ぶべきかが変わってきます。今回は15歳までで収入の無いということを前提に記事を書いています。
お得になる理由はズバリ税金です。もし『源泉徴収あり』にしていた場合、NISAの上限を超えて取引した、うっかり特定口座で購入してしまった商品に利益が発生すると、自動的に所得税と住民税が源泉徴収(自動的に利益から税金が引かれる)されてしまいます。
確定申告が必要となるのは38万円から
会社員で給与所得があると、投資で20万円を超える利益が発生した際に確定申告の必要がありますが、15歳未満の学生で給与所得がない場合はジュニアニーサの特定口座と通常の特定口座での利益が38万円を超えると確定申告の必要があります。
利益ですので、売却額から取得費用や手数料を引いた売却益や配当益が38万円を超えた場合となります。この計算にはジュニアNISAでの利益は含まれません。
つまり、源泉徴収をなしにしておけば、利益が38万円以下であれば次のメリットがあります。
- 源泉徴収されないため税金を払う必要が無い
- 38万円以下であれば確定申告の必要が無い
ジュニアNISAは38万円の計算に含まれませんので、ジュニアNISAをメインに投資を行っていれば、15歳までに38万円を超えることはほとんど無いと思います。もし、38万円を超えることが想定される場合は早めに変更しておきましょう。
源泉徴収なしの場合の注意点
源泉徴収なしとした場合の注意点は、住民税です。住民税には所得割と均等割があり、東京都の場合35万円を超えると住民税がかかります(自治体により異なる)が未成年の場合は控除額がプラスされますので、38万円を超えるようであっても、住民税は払わなくて良い場合がほとんどです。
扶養控除は?扶養手当は?保険料は?児童手当どうなる?
源泉徴収なしを選択し、万が一利益がたくさん出てしまった場合に最も気になるのが扶養控除、扶養手当、保険料です。この3つについてもほとんどの方が心配ありません。
扶養控除は15歳未満はありません
扶養家族の数や状況によって親の所得から所得が一定額控除される扶養控除については15歳未満は関係ありません。
国税庁によると控除の対象となる扶養親族とは次の条件を満たすものをいいます。
- 控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人
- 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
- 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)
- 納税者と生計を一にしていること。
以上から15歳未満は控除対象扶養親族となりません。
扶養手当や保険料はハードルが低い
扶養手当や健康保険に関しては勤務先の条件によるものですが、公立学校共済組合の資料を見ると被扶養者の収入に関する認定要件は次のとおりです。
- 年間130万円以上の恒常的な収入がある場合
※各組合により条件の運用や解釈が異なる場合がありますので、加入する組合に確認をお願いします。
つまり、恒常的な収入となる未成年証券口座での利益の場合130万円を超えなければ、問題ありません。
児童手当に子供の収入は関係なし
子育て世代の力強い味方である児童手当。これは親の収入によって支給額が決まりますので、子供にどれだけ収入があっても減額されたり支給されなかったりということはありません。
源泉徴収ありの方へ「税金は戻ってきます!」
マイナンバー制度が始まり、子どもの証券口座を確定申告し、子どもに収入があることが会社に知られたくないと源泉徴収ありとしている方もいるかもしれません。(注:確定申告から会社にバレることはありません。)
そういった方は、少し面倒ですが確定申告をお勧めします。所得が38万円以下であれば、源泉徴収された税金は全額還付されます。
理由は所得税の計算には基礎控除というものがあって、全員から38万円が控除されることとなっており、38万円以下の場合、所得金額が所得控除の合計を超えないため、課税対象額が0円となり全額還付されます。
つまり38万円を超えた場合であっても、確定申告をすることにより38万円を控除した利益が課税対象となり所得税だけでも最大で約58,000円が還付されます。
あわせて読みたい関連記事
マイナンバー制度についてです。
教育資金の準備について必要額やその方法について。